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生体医工学会 第64回大会 発表報告

会期:2025年6月5日(木)〜6月7日(土)

会場:フェニックス・プラザ(福井県福井市田原1丁目13-6)

大会テーマ:スマートヘルスケアで実現する健康社会


発表演題

PD者に対する振動の感覚刺激の有無における歩行動作の変化 ―パイロット研究―

発表者:松田雅弘、掛川圭、小川順也、山口裕哉(順天堂大学大学院/株式会社Smile space/PDitスタジオ銀座本店)


研究概要

本研究は、パーキンソン病(Parkinson’s Disease; PD)患者の歩行動作に対する振動刺激の効果を検討したパイロット研究です。対象は軽度PD患者4名。

足圧センサーを内蔵したインソールと振動刺激装置を用い、

  • 歩行動作に同期させた刺激

  • 一定リズムによる刺激

を腕・足関節・体幹に付与しました。歩行解析には三次元動作解析装置および筋電図を用いて、関節運動と筋活動を多面的に評価しました。

その結果、足圧分布の左右差の減少や関節可動域の拡大といった改善傾向が認められました。


本研究は、「スマートヘルスケアで実現する健康社会」という大会テーマと整合し、ウェアラブル技術を用いた非侵襲的かつ簡便な歩行支援法の有効性を示しました

今後は症例数を増やした検証に加え、AI技術を活用して歩行解析をリアルタイムで行い、個人に最適化された刺激を自動的に提供するシステムの開発が、臨床導入を見据えた今後の研究課題として位置づけられます。


総括

本発表は、PD患者に対する感覚刺激介入の臨床的可能性を提示し、歩行リハビリテーションにおける感覚刺激の応用可能性を臨床的に裏付ける成果となりました。

臨床現場での活用はもとより、在宅リハビリや地域支援にも波及する可能性があり、さらにAI技術と統合することで次世代型のスマートリハビリテーションへと発展することが期待されます。

 
 
 

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